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基礎

現在、木造住宅のほとんどの基礎がベタ基礎になりました。少し前までは布基礎が多く、もっと古くは束石の上に直接柱をのせてました。ベタ基礎が最も強靭になりますが、注意する点もあります。布基礎等には1階の床荷重がかかりませんが、ベタ基礎には1階の床荷重も全てかかってきます。その荷重は、ベタ(スラブ)と呼ばれる基礎の底板の部分から、立上りの部分にかかってきます。そうなると、ベタ基礎の立上りは布基礎の立上りよりも強靭なものにする必要があります。しかしながら、多くのベタ基礎の立上りは布基礎の立上りと同等になってます。


暮らしの設計社の基礎は当然ベタ基礎ですが、基礎の立上りを底板を支える梁(地中梁)として考えて設計されてます。

主筋(上端・下端共)はD16の鉄筋を使用。

立上り筋は、あばら筋(スターラップ)と考え、D10鉄筋をピッチ15㎝に配置しフックをかけて主筋に固定。このフックをかける事は、立上りに靱性(ねばり強さ)をだす為に重要な部分です

暮らしの設計社の基礎断面図

底板(スラブ)配筋は、D13の鉄筋をピッチ15㎝に配置。

稀にこの部分が過剰すぎコストアップにつながっていると、指摘された事もありますが、この仕様にも理由があります。底板にコンクリートを打設する時、必ず作業者が底板(スラブ)配筋の上に乗って打設します。通常の配筋であれば、作業者が乗った時点で鉄筋がたわみ、たわんだ鉄筋の下側には充分なコンクリートがいきわたりません。充分なコンクリートがいきわたらない鉄筋は直ぐにサビが生じ強度が激減します。

暮らしの設計社の基礎の構造

最後に、基礎と土台(木材)を固定するアンカーボルトの設置です。

現在でも多いのが田植え方式と呼ばれるコンクリートの打設後に、アンカーボルトを埋め込む方法です。コンクリートは、水・セメント・砂・砂利が均等に混ざった状態で強度がでます。

コンクリート打設後にアンカーボルトを埋め込むと、その部分には砂利が極端に少なくなり強度が落ちます。基礎本体がいくら強靭であっても、アンカーボルトの設置をしっかりしなければ意味がありません。地震などで柱や土台が基礎から外れ、倒壊する要因になります。

暮らしの設計社では、コンクリート打設前にアンカーボルトを固定。(下写真参照)

基礎断熱ですので、外回りには断熱材をコンクリートと一緒に打ち込みます。

(基礎断熱だから床暖房は必要ありません。)