テクノロジー

断熱

昔はエアコンがなく、コタツや火鉢といった部分暖房だけで過ごしていました。今はエアコンが普及し部屋全体を冷暖房して過ごしています。部分暖房だけであれば部屋と部屋との間の温度差はほぼなく、ヒートショックは起こりません。しかし部屋全体を暖めると暖かい部屋から寒い部屋に移動した時、ヒートショックが起こります。ヒートショックをなくすには、部屋と部屋の温度差をなくす事が大切です。廊下やトイレなどにも暖房器を設置する事も一つですが、部屋を個別で暖房する局所暖房ではなく、家全体を暖める全館暖房が理想的です。断熱性能を高め計画的な空気の流れを作れば、60坪前後までの家であれば家庭用エアコン1~2台で全館暖房が可能です。

(暮らしの設計社の家は断熱等性能等級4。40坪の家であれば、夏は2階に設置した18帖用エアコン1台の運転で家中快適、冬は1階に設置した18帖用の家庭用暖房機の運転で家中快適。)結露に関しても全館暖房にすれば、押入などの温度の低い部分での結露を防ぐ事ができます。部屋と部屋の温度差がなくなる事で、間仕切り壁の中の見えない結露も防ぐ事ができます。

暮らしの設計社の屋根・基礎断熱の図

断熱の方法には、内断熱と外断熱の二種類あります。内断熱は柱や梁などの構造部材間に断熱材を詰めて断熱します。外断熱は構造体の外側にパネル状の断熱材を貼り構造体の外側全体を断熱材で覆います。断熱性能は断熱材の厚みと種類で決まるので、内断熱と外断熱の違いで性能が変わる事はありません。

結露が生じる部分に大きな違いがあります。結露は温度差が大きい部分に湿った空気が流入する事で生じます。密閉状態に出来ない限り断熱材の部分に結露が発生します。内断熱であれば構造体内部で外断熱であれば構造体の外側です。

暮らしの設計社の外断熱と無垢材工法の図